2012年6月26日火曜日

抗議アクション:福島市議会「大飯原発再稼動反対」決議案否決

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佐藤雄平福島県知事をリコールへ ~最後通告突き付けた福島の女たち

わたしたち、福島第一原子力発電所の事故による理不尽な苦しみを強いられている福島県民にとって、野田内閣と関西電力による大飯原子力発電所34号機再稼動の策謀・強行は、とても許せない暴挙であり、わたしたちのうずいてやまないこころの傷に塩を塗る行為です。
622日(金)、45000人もの市民が首相官邸抗議デモに繰り出したことは、民意を無視した今回の暴挙に対する国民の怒りを表すと同時に、事故被災者に寄り添う市民意識の発露でもあったはずです。
ところが翌23日の新聞報道をみて、わたしたちは心底から驚きました――
 福島市議会(定数38)は22日、関西電力大飯原発(福井県おおい町)3、4号機の再稼働に反対する決議案を反対多数で否決した。議会初日に社民、共産の市議7人が連名で提案。採決は無記名で行われ、賛成17、反対19で否決された。
 決議案は「福島第1原発事故の原因究明や国会・政府事故調の最終報告が無い中、暫定的な安全基準が拙速に決められた」と指摘、再稼働について「市民は未曽有の被害に今も苦しんでいるのに、安全確認を後回しにした」と非難していた。
 県内では南相馬、二本松、浪江など7市町村議会が再稼働に反対する意見書を採択している。【深津誠】
あろうことか、被災県の県庁所在地、福島市の市議会が「大飯原発3、4号機再稼動反対」決議案を否決したというのです。それも「無記名」投票で!県民を裏切るなんという、思慮のない無責任な態度の表明でしょう。急遽、福島市民たちの発案により、福島県知事および福島市議会に対して緊急要請をおこなうことになり、わたしも福島市にかけつけました。
ここに、福島県知事と福島市議会に提出した「緊急要請書」を掲載します――
福島県庁

〒960-8670 福島県福島市杉妻町2-16

電話 024-521-1111(代表)
メールkouho@pref.fukushima.lg.jp
2012625
福島県知事  佐藤 雄平様
緊急要請―未曾有の原発災害に苦しんでいる福島県民の知事として
野田内閣による「大飯原発3、4号機の再稼働決定」に対して
明確な反対の意思表明をすること―
「東日本大震災」並びに「東京電力福島第一原子力発電所事故」から1年目の去る3月11日、福島県は福島復興を誓って「ふくしま宣言」を知事自ら全世界に向けて発信しました。「県内の原子力発電所を全て廃炉にすること」「再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに発展し続けていくこと」を明言したすばらしいものです。県としてこの内実を県民の目に見える形で即刻、実現していくことが未曾有の原発災害の苦難から県民を救い出す明確な具現化への道です。
ところが野田内閣は去る6月16日、国民の願いと意思を無視し、大飯原発34号機の再稼働を正式に決定しました。しかし、その理由は「国民の生活を守るため、再稼働すべき」「原発止めたら、日本の社会は立ち行かない。」「福島級の地震・津波が来ても防止できる対策と体制は整っている。」など何の裏付けも説得力もないものです。しかも根拠のない関電の夏場の15%電力不足予測を理由にしていながら、「夏季限定」を否定し、恒久的に稼動させたい意図も見え見えです。なし崩し的に3.11前の原発依存社会へ逆行させるものと言えます。それはすなわち「フクシマ」から何も学ばず、私たち福島県民を見捨てることにもなりかねません。
未曾有の原発災害を受けて苦しんでいる私たち福島県民を代表する県知事として、311「ふくしま宣言」を高く掲げて、この危険な決定である「大飯原発再起動」に明確に反対の意思表明をするべきです。それが311「ふくしま宣言」を内実化することと一致します。
県民は311の悲しみも苦しみも未だいえず、しかも事故の原因も究明されず、原発災害そのものが終息しないまま「再起動」を公言する野田政権とそれを裏で支える原子カムラ、推進勢力へ激しい怒りと憤りを憶えているのです。この思いを佐藤知事、あなたが代弁せずに誰が行うのでしょう。
311「ふくしま宣言」の中に、「今、全世界の人がFUKUSHIMAを見つめています」。そして最後にこうしめくくっています。「本日、これをふくしま宣言とし、全世界のみなさんにお誓いいたします。」と。佐藤知事、今やあなたは人類の生存と世界の未来を握るキーパーソンなのです。全世界は「フクシマ」を見つめています。利権、権力、財産、欲望、謀略、陰謀の奴隷に落ちることなく、ただ良心にのみに従い「真に県民を守るために」表明することを希望します。
「県民の安全・安心を最優先」と誓った佐藤雄平知事の有言実行のためにも当面以下のことを要求いたします。
―記―
1.          福島県知事として、政府による「大飯原発の再稼働決定」に明確に反対の意思表明をすること。
2.         今年度の東電株主総会(6.27)で「脱原発」の意思表示をすること。
3.         「脱原発をめざす首長会議」へ加盟すること。
4.         ふくしま原発の事故の徹底究明をすること。
5.         福島県議会議員に見える「脱原発」活動をうながし、「ふくしま宣言」へ向けて県知事・県議会の一体化の姿勢を見せること。
6.         「脱原発」実施後、県民が路頭に迷わないようなキメの細かい施政を実施すること。
7.         「廃炉」作業に際しては、労働者の被曝による健康障害の低減化に十分配慮すること。
8.         子どもの被曝を最大限避ける手立てを行うこと。そのために避難希望家族への生活補償と仕事の斡旋、県内外に関係なく、すでに避難している家族への補償を区別なく、期限限定なく行うこと。
9.         廃炉に向けて、科学・技術センターの設立をし、教育予算の増額と人材育成をすること。
10.      被曝者援護と生涯にわたる健康保障をするために全ての「ヒバクシャ県民」に「県民手帳」(仮称)を配布し、病院・研究機関の拡充をすること。
11.        特に、上記の1と2については極力、速やかに(遅くともこの7月中に)実行に移すか否かをもって、佐藤雄平県知事の知事としての資質、真摯さを見極める重要項目とします。
もし、私たちのこの期待に応えられなかった場合は知事自ら、職を辞すことを希望します。
以上
呼びかけ団体―
ふくしまWAWAWA一環・話・和一の会
アウシュヴィッツ平和博物館
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
沈黙のアピール
2012625
福島市議会議長 粕谷悦功様
緊急要請一未曾有の原発災害に苦しんでいる福島県の首都における

6.22福島市議会での「大飯原発再稼動反対」議案が

否決されたことは信じがたい暴挙です!

直ちに撤回すること!―
野田内閣は去る6月16日、国民の願いと意思を無視し、大飯原発34号機の再稼働を正式に決定しました。しかし、その理由は「国民の生活を守るため、再稼働すべき」「原発止めたら、日本の社会は立ち行かない。」「福島級の地震・津波が来ても防止できる対策と体制は整っている。」など何の裏付けも説得力もないものです。さらに根拠のない関電の夏場の15%電力不足予測を理由にしていながら、「夏季限定」を否定し、恒久的に稼動させたい意図も見え見えです。なし崩し的に3.11前の原発依存社会へ逆行させるものと言えます。それはすなわち「フクシマ」から何も学ばず、私たち福島県民を見捨てることにもなりかねません。このことに対して福島県民として即刻、県はもちろん全市町村挙げて遺憾の意を表わすべきです。
こんな中、去る622日、福島市議会6月定例会最終本会議において「関西電力大飯原発3号機と4号機の再稼働に反対する決議」が否決されたのです。議員36人の無記名投票で行われ、賛成は社民護憲連合、共産党、公明党の17人だけであとの19人が反対ということのようです。この結果は、信じられない暴挙であり、市民への裏切り行為です。私たちは足元から刃を突き付られたようなショックを受けました。
この議案に反対した福島市議会議員19人の個名の公表を求めます。この事実行為は重大であり、その責任を徹底して求めます。もし拒んでも公開質問状を提出し回答を求め、その結果を公表させていただきます。さらには次回の市議選の時には”落選運動”(仮称)を展開し、議員として退いていただきたいと思っています。未曾有の原発災害を受けて苦しんでいる私たち福島県民・市民のくらしといのちを守ろうとしない市議会議員は要りません。
「東日本大震災」並びに「東京電力福島第一原子力発電所事故」から1年目の去る311日、福島県は福島復興を誓って「ふくしま宣言」を知事自ら全世界に向けて発信しました。「県内の原子力発電所を全て廃炉にすること」「再生可能エネルギーを推進し、原子力に頼らずに発展し続けていくこと」を明言したすばらしいものです。これこそ未曾有の原発災害の苦難から県民を救い出す明確な具現化への道です。私たちは県に対してもこの内実を県民の目に見える形で即刻、実現していくことを求めています。
この趣旨に対しても今回の福島市議会の決定は逆らうものです。311「ふくしま宣言」を高く掲げて、ヒバクシャである福島県民・市民が率先して「大飯原発再稼働」に明確に反対の意思表明をするべきです。
県民は311の悲しみも苦しみも未だいえず、しかも事故の原因も究明されず、原発災害そのものが終息しないまま「再起動」を公言する野田政権とそれを裏で支える原子力ムラ、推進勢カヘ激しい怒りと憤りを憶えているのです。「再稼働反対」を否決した19人の福島市議会議員の方々はこの原子カムラを支え、おもねる人たちとしか思えません。それがまちがいなら「再稼働反対」否決を何らかの形で撤回してください。それが出来るかどうかを私たちはしっかり見ていきます。
以下のことを要求いたします。
―記―
1.         福島市議会として、政府による「大飯原発の再稼働決定」に明確に反対の意思表明をあらためて行うこと。
2.         6.22福島市議会本会議で、「大飯原発再稼働反対決議」に賛成しなかった19人の個名を公表すること。
3.        6.22本会議において議会運営として無記名投票形式を取った理由をあきらかにすること。
4.        「脱原発をめざす首長会議」へ加盟すること。
5.        ふくしま原発の事故の迅速な徹底究明を県に求めること。
6.        「ふくしま宣言」へ向けて県知事・県議会・市議会の一体化の姿勢を見せること。
7.         子どもの被曝を最大限避ける手立てを行うこと。そのために避難希望家族への生活補償と仕事の斡旋、県内外に関係なく、すでに避難している家族への補償を区別なく、期限限定なく行うこと。一時避難を含めても具体的な手立てを行うこと。
8.        被曝者援護と生涯にわたる健康保障をするために全ての「ヒバクシャ県民・市民」に「県民手帳」(仮称)を配布し、病院・研究機関の拡充を県と共に行うこと。
9.        特に、上記の2と3については直ちに回答をすること。速やかに実行に移すか否かをもって、福島市議会としての資質、真摯さを見極める重要項目とします。
以上
6.25対県知事&福島市議会緊急要請
呼びかけ団体―
○ふくしまWAWAWA一環・話・和一の会
○アウシュヴィッツ平和博物館
○子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
○沈黙のアピール
賛同団体募集中一県内外から
○原発いらない福島の女たち
○ハイロアクション福島原発40年実行委員会
○働く女姓のホットライン・ふくしま
○脱原発福島ネットワーク
○わいわい市民政治@ふくしま
○ふくしま月あかりの会
○STOPプルサーマル ふくしま
○「生活クラブふくしま 土山雄司」
○福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
○東電と共に脱原発を考える会
○プルトニウムフリー コミュニケーション 神奈川
○原発を考える品川の女たち
○MOX反対伊方の会
○核のゴミキャンペーン・中部
○さようなら柏崎刈羽原発プロジェクト
○ピースネット・静岡
○玄海原発プルサーマル裁判の会
○プルサーマルと佐賀県の100年を考える会
○さよなら玄海原発の会・久留米
○環境教育ふくおか
○脱原発とうかい塾
○原発さよなら四国ネットワーク
○愛媛の活断層と防災を学ぶ会
○ストップ原発&再処理意見広告の会
○三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会
さて、余談ですが、県庁で参加者各人の意見表明の機会があり、わたしは応対の県職員に次のような発言をしましたー―
「わたしは郡山市内の県営住宅に入居しています。
「わが家の居住棟の前に大型遊具を備えた広場があり、そこの放射線量を計測してみると毎時0.8マイクロシーベルト以上あります。これは法規に定める放射線管理区域の基準値、毎時0.6マイクロシーベルトを軽く超えています。
「放射線管理区域は、放射線による健康障害の防止の観点により一般人の立ち入りが禁止されていますが、この広場にはなんらの立ち入り規制もありません。このような場所で幼い子どもたちが遊んでいるのです。
「このような状態を、県の原発事故対策本部はいつまで放置するのですか?」
県職員はうつむいたままで、なんの回答も示しませんでした。いつものことです。
【続報】
毎日新聞 20120626日 地方版
 「ふくしまWAWAWAの会」(佐々木慶子代表)など4市民団体は25日、大飯原発(福井県)の再稼働反対決議案を否決した福島市議会に撤回を求める要請書を提出した。市議会は22日、無記名投票の結果、賛成17、反対19の2票差で決議案を否決した。
 佐々木代表は「多くの人が原発事故の被害に苦しんでおり、県都の議会がその思いに逆行する決定をするのは市民への裏切り行為だ」と述べ、反対議員19人の氏名公表や、改めて議会として再稼働反対の意思表明をするよう求めた。反対議員には次期市議選で「落選運動」も行うとした。
 4団体は佐藤雄平知事にも、今年3月11日の復興式典で世界に向けて脱原発を目指すことを誓った「ふくしま宣言」にのっとり、反対の意思表明をするよう求めた。【乾達】


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