2013年10月3日木曜日

【海外論調】アーニー・ガンダーセン「安倍首相は国民にウソをついている」(ビデオ+日本語訳テキスト)

リアルニュース.com

広告は不掲載、政府・企業資金は一切なし

核エンジニア:日本の首相はフクシマの安全について
「日本国民にウソをついている」
Nuclear Engineer: Japan's PM "Lying to the Japanese People" About Safety of Fukushima
アーニー・ガンダーセン:
日本の首相はフクシマが安全だというが、核惨事対応は資金が不足し、透明性が欠如していて、国民は闇のなかに放置されている。

2013101



プロフィール】
アーニー・ガンダーセンは、40年を超える経歴の原子力エンジニア。レンセラー工科大学で学び、優等の成績で学士号を獲得するとともに、核エンジニア修士課程に進むための栄えある原子力委員会奨学金を授与。核安全部門の特許を保持し、元・認定原子炉オペレータ、核企業の元上席副社長。アーニーはまた、原子力産業に在職中、アメリカの70か所の原発でプロジェクトを管理し、調整していた。
テキスト】

JESSICA DESVARIEUX, TRNN PRODUCER
TRNN
プロデューサー、ジェシカ・デヴォラオ:
リアルニュース・ネットワークにようこそ。バルチモアのジェシカ・デヴォラオです。
東京が2020年オリンピック大会招致を勝ち取った直後、20113月の核惨事以来はじめて、日本の総理大臣がフクシマの現場を訪問しました。(訳注:正しくは、昨年12月以来の2度めの訪問)
*****

安倍晋三首相(翻訳音声)
さらにですね、先般、ブエノスアイレスにおいて、健康の心配はない、懸念することは何もないと世界に向かってわたしは申しましたので、福島にやってきたわけです。
*****
デヴォラオ:
さて、フクシマで進展しているできごとを論じていただくために、アーニー・ガンダーセンとつながっています。彼には、40年を超える原子力エンジニアリングの経験があります。アーニーは核安全分野の特許をお持ちです。原子炉の認定オペレータでしたし、核産業の元・上席副社長でした。
アーニー、ご参加、ありがとうございます。

ARNIE GUNDERSEN, CHIEF ENGINEER, FAIREWINDS:
フェアーウィンズ主任エンジニア、アーニー・ガンダーセン:
やあ。お呼びいただき、ありがとうございます。
デヴォラオ:
まず、日本の総理大臣のフクシマ訪問からはじめましょう。首相は、心配する理由がないといっています。その一方、東京電力は放射能漏れを封じこめるために大わらわのようですし、魚が放射能で汚染し、災害による出生障害の可能性を伝える報告もあります。ここでなにが起こっているとお考えでしょうか? 心配すべきでしょうか?
ガンダーセン:
さて、第一に安倍首相は真実を語りませんでした。これには疑いの余地がありません。原発から太平洋に向かって大規模な漏れがあります。それに、そうだ、奇形の魚を見ますし、奇形の動物を見ますし、すでに甲状腺癌も見ました。ですから、首相のことばはオリンピック招致をねらったPR活動ですが、じっさい現実に根ざしていません。あの現場にいる人間が途方もない見込みに抗して、どれほど苦しい仕事をしているか、首相はまったく理解しませんでした。おわかりでしょうが、半日、顔を出して、引っ込んで、後はすべて良きにはからえ――真のリーダーがすることではありません。
デヴォラオ:
わかりました。漏れている放射性物質をじっさいに封じこめるのに、これほど時間がかかっているのはなぜでしょう? この核を見て――これほどの規模のものを見たことがないからでしょうか? あるいは、東京電力がある意味で無様だからでしょうか?
ガンダーセン:
さて、事故後、最初の週、わたしはCNNに出演していまして、これは長く苦しい闘いになるだろうといいました。3日間に3基の原子炉が爆発するなんて、前代未聞です。ですから、これはまったく真新しいできごとです。
だが、これが最大の問題ではありません。最大の問題は、東京電力がこの原発を運営しつづけ、現場の浄化を試みるのを許されていることです。東京電力は運転会社であり、エンジニアリング企業ではありませんので、実に不適当な技術の寄せ集めということになります。ですから、不適格な人たちが浄化をやろうとしていることになります。
ですが、もうひとつ要因があり、その要因とは、コストです。東京電力には、これをするだけのお金がありません。この水が太平洋に流出するのを防ぐため、2年前、わたしはいくつか提案しましたが、東京電力にはそれをするだけのお金がないといわれました。さて、2年前、東京電力がわたしの提案を実行していれば、いま陥っている混乱には、とらわれていないでしょう。
お金は日本の国からくることになっています。そして日本政府は、5,000億の――1兆――いや、5,000億ドルもの債務を負っていることを認めたくありません。日本政府は50基の原発をもち、稼働したがっていますので、国民にいいたくありませんし、国民が政府の直面している負債を知るようなことがあれば、そのようなことは実現しないとわたしは思います。
デヴォラオ:
あなたはそれに、17人の国際的な有識者とともに、国連が仲裁に立って、東京電力株式会社をフクシマ事故現場の統括から外すように求める、潘基文(パン·ギムン)国連事務総長宛ての書簡に署名なさりました。書簡はさらに東京電力がいかに不適格であるかを述べ、あなたのいまおっしゃったことにまで踏み込んで言及しています。つまり東京電力には、基本的にいって、この放射能をほんとうに除去するための予算がありません。目下、彼らが用いているガイドラインのどこが悪いのでしょうか? そして、だれがほんとうにリスクにさらされているのでしょうか?
ガンダーセン:
そうですね、福島県のすべての人たちがリスクにさらされています。
県は、州のようなものです。福島県の大きさは、コネチカット州の面積にだいたい一致しています。
そこで、わたしたちが挙げた要点とは――ところで、書簡の全文日本語訳はフェアーウィンズのウェブサイト(http://fairewinds.org/)に掲載されています。
だが、わたしたちの指摘した要点とは、ひとつには、東京電力を排除して、国際的なエンジニア集団に置き換えなければならないということです。いま、この作業を正しくやれる企業は、おそらく6社あります。
でも、ほかの部分は、お金についてです。東京電力がこの問題を解決するためのお金をじゅうぶん持っていると信用してはいけません。そして、日本国民は同社が借金まみれであると知る必要があります。
さらに最後の重要な点は、国民の目が届いていないことです。日本政府が自国民にどのような地獄が展開しているか知ってもらいたいと考えているとは信じられません。そこで、書簡の勧告内容ですが、浄化を請け負っている業者が市民グループに見過ごされているということです――つまり、わたしのような人たち、核の技術をもっている人たちのことですが、そういう人たちは契約業者とのつながりを与えられておりません。
それに、目下の問題は、日本の研究者たちが事実を語るのを恐れていることです。医者たちがフェアーウィンズのわたしたちに連絡してくるのですが、彼らによれば、われわれの患者たちが放射線疾患にかかっていることがわかっているが、患者にその旨を告げることを病院が許さない、というのです。動物の異常について語る研究者たちがいますが、データの発表を許されていません。そこで、書簡の最後の要点は、透明性です。率直にいって、日本政府に任せれば、透明性は決して実現しないでしょう。真実を語ることによって、なにも得ることもなく、なにも失うこともない民間人によって構成される監視委員会に人びとを関与させることが必要です。
デヴォラオ:
アーニー、大急ぎですが、最後の質問です。日本の惨事に対して、世界的な反応がないのはなぜなのか、あなたはどうお考えですか? つまり、原子力についてですが、ドイツは2022年までの原子力の段階的廃絶を決めましたが、このような動きを他にまったく聞きません。
ガンダーセン:
つまり、わたしたちは依存症なのです。アメリカは100基の原発を保有し、わが国の電力の20パーセントを賄っています。フランスには60基の原発があり、電力の80パーセントを得ています。つまり、明日には、また薬(ヤク)が必要だというようなものです。
依存はわたしたちの病気です。そして、苦しみは日本で発生しています。わたしたちは、日本人の苦痛がわたしたちの苦痛でもあることを理解し、日本人と一緒になって、この問題を解決しなければなりません。
デヴォラオ:
わかりました。よくぞ、おっしゃっていただきました。アーニー、ご参加、ありがとうございました。

ガンダーセン:
ええ、ありがとう。大勢の人たちがこれを視ていてくれればと思います。
デヴォラオ:
リアルニュース・ネットワークにご参加、ありがとうございました。
End

免責条項:リアルニュース・ネットワークのテキストは、番組の録画からタイピングしたものです。TRNNがその完璧な正確さを保証するものではありません。

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