2016年3月13日日曜日

インド核軍縮・平和連合【海外論調】カクラパー原発の重水漏出事故は深刻、 独立調査が必要

インド全国ネットワーク「核軍縮・平和連合」










カクラパー原発の漏出事故は深刻であり、
独立調査が必要

核軍縮・平和連合
2016312日付けプレス声明

わたしたちは、グジャラート州のカクラパー核発電所1号機における一次熱移動系(PHTS)の漏出事故を憂慮しております。

フクシマで進行中の事故の5周年当日に発生した、この事故は、核発電所の安全に関する深刻な疑問を浮き彫りにしています。このような事故は、原発労働者にも、近隣住民にもリスクをおよぼす可能性があります。

原発関係者らは、放射能は漏出しなかったと主張しています。わたしたちはこれが本当であることを心から願っておりますが、NPCIL[インド原子力公社]に対し、漏れでた重水の清掃作業に従事する原発労働者の防護を保証するように要請するものです。一次冷却循環系の重水は、それ本来の性質により、その一部が中性子を吸収し、トリチウム水に転化しています。トリチウムは放射性物質であり、それ故、トリチウム水は放射性物質であるということに自動的になるのです。

過去において、わが国の原発で重水漏れが頻繁に発生しており、人間が摂取したり吸引したりすれば、水と同様にふるまうトリチウム水によって、しばしば下請け労働者が被爆しているので、ことは重大です。この物質に接した労働者たちが被曝した放射線量は、かなり多量になるでしょう。

第二に、わたしたちは原子力規制委員会の職員たちが作成した公式声明に失望しております。報道によれば、委員会の事務官がこの事故を「自動車エンジン・ラジエーターの水漏れ」になぞらえたことが明らかです。これは、深刻な誤解を招く発言です。核反応炉の場合、炉の「停止」後、相当の長期にわたって、炉内の放射性物質が大量の熱を発生しつづけますので、自動車エンジンと違って、「停止」するだけで、冷却が不必要になるわけではありません。

このことは正しく、委員会が実効性のない組織であり、国民に一義的な責任を託された独立規制機関の役割を担っているではなく、原子力エネルギー省およびインド原子力公社の代弁者の役割を担っているという問題点を裏づけるものであります。

わたしたちは、当該事象に関して、有識者と市民が参画し、独立性と透明性が担保された調査が実施されなければならないと要求いたします。当該事象は、インドの核体制に説明責任を導入することの緊急性を浮き彫りにしております。

核軍縮・平和連合を代表して――

アチン・ヴァナイク Achin Vanaik,
ラリタ・ラムダス Lalita Ramdas,
アニル・チャウダリ Anil Chaudhary,
アビー・ジョージ Abey George
クマル・スンダラム Kumar Sundaram

【クレジット】

Coalition for Nuclear Disarmament and Peace, “Leak In Kakrapar Nuclear Plant Serious, Independent Inquiry Needed: CNDP Statement,” posted on March 12, 2016 at;

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