2016年4月14日木曜日

メール紙オンライン【海外報道】日本政府、トリチウム汚染水の海洋放出を企図



日本政府、太平洋に対する影響を恐れる声をよそに、大破したフクシマ核発電所のトリチウム汚染水の放出を計画
Japan prepares to release thousands of tonnes of water containing radioactive tritium from the beleaguered Fukushima plant amid fears for impact on Pacific Ocean 


  • 東京の北に立地する核発電所が20113月の津波で大破
  • メルトダウンした反応炉の冷却に1日あたり300トンの水が必要
  • 1000基のタンクに保管された廃水に放射性トリチウムが残留
  • 多くの科学者たちがトリチウム汚染水の海洋投棄を要求
  • この動きが人の健康を脅かし、漁業資源を壊滅すると警告する科学者もいる

ローリー・ティングル  RORY TINGLE FOR MAILONLINE
2016412

日本は窮地にあるフクシマ施設から数千トンの放射性廃液を太平洋に放出することを検討している。

この核発電所は東京の北方に位置しており、20113月に15メートルあまりの津波で大破し、3基の反応炉が機能を喪失した。

メルトダウンした反応炉を冷却するために、1日あたり300トンの水をポンプで送りこむ必要があり、放射性物質であるトリチウムを含んだままの汚染水が残る。

日本は窮地にあるフクシマ施設(写真)から数千トンの放射性廃液を太平洋に放出することを検討している

この核発電所は東京の北方に位置しており、20113月に15メートルあまりの津波で大破し、3基の反応炉が機能を喪失した

この物質を除去するのは費用が極めて高額になるので、多くの科学者たちはそうする価値がないと論じ、トリチウム汚染水を海洋に排出してもリスクは最小限に収まるという。

だが、廃水の海洋放出を求める彼らの提言は、日本とその他の国ぐにのおおかたを驚かせている。

核惨事以来、日本国内の反核活動家たちの勢力は増大しており、多くはトリチウムを除去する前の廃水の放出に反対している。

日本の漁業者たちもこの計画に反対しており、廃水を放出すれば、該当海域の漁業資源が壊滅されかねないと主張している。

また、トリチウムは人体の軟部組織や器官に直行して入りこみ、癌、その他の疾患のリスクが増大する可能性があるので、ヒトの健康の面でも懸念がある。

核発電所の3号炉から立ち昇る煙。メルトダウンした反応炉を冷却するために、1日あたり300トンの水をポンプで送りこむ必要があり、放射性物質であるトリチウムを含んだままの汚染水が残る。

この物質を除去するのは費用が極めて高額になるので、多くの科学者たちはそうする価値がないと論じ、トリチウム汚染水を海洋に排出してもリスクは最小限に収まるという。だが、他の人たちは、損壊した核発電所(写真)から廃水を放出すれば、ヒトの健康の害になり、漁業資源を壊滅させるという

日本政府は全力をあげて、核発電所が国民にもたらしている脅威の過小評価を図っている。この写真では、園田康博・内閣府大臣政務次官[管改造内閣当時]が5号炉と6号炉の建屋の内部の水たまりから採取し、除染した水を飲んで見せている

放射能の安全性と危険性を分ける一線はあやふやであり、子どもたちは放射線関連疾患になお一層かかりやすい。

米国環境保護庁のロバート・ラギラード広報官は、「いかなるトリチウム被曝であっても、健康リスクをもたらしかねません」と語り、次のようにつづけた――

「このリスクは被爆が長引けば増大しますし、健康リスクには、癌発症率の増大も含まれています」

しかし、カリフォルニア州パロアルトに在住する核専門家であり、廃炉に関して日本に助言しているローザ・ヤン氏は心配していない。

彼女は、日本政府の職員が公衆の面前に立って、貯水タンクの水を飲んで、それが安全であると国民に実証してみせるべきだと語った。

汚染水に含まれるトリチウムを一か所に集めると、その量はほんの57ミリリットル、つまりエスプレッソ用カップ2杯分――汚染水全量に比べれば、極めて少量――になる。

日本の原子力規制庁の田中俊一委員長は、これは水中のトリチウムに対する世界許容基準をじゅうぶん下回っていると述べた。

田中委員長は、「この物質は放射能がとても弱く、プラスチック包装すら貫通しません」と語った。

フクシマ施設を管理する東京電力株式会社は、廃水の放出に関して見解を明確にしていない。

同社は日本政府の決定を待っているものと考えられている。

フォールアウト:
フクシマ核惨事による突然変異とDNA損傷が森林で顕在化

グリーンピースはついに3月、フクシマ核危機が近隣の森林に与えた環境影響が顕在化しはじめており、今後の長年にわたり汚染源でありつづけるだろうと発表した。

活動家グループは、樹木の突然変異の兆候とDNAが損傷した虫類が出現しはじめており、「膨大な量の放射能が蓄積している」ため、森林の除染は不可能であると述べた。

日曜日の2011327日、東京の反核集会でプラカードを掲げる防護マスク姿の活動家

グリーンピースは報告書で、「モミの木の生育異常…ヤマトシジミ蝶個体群の遺伝性突然変異の明白な増加」、ならびに「高レベル汚染区域におけるDNAを損傷した虫類」をあげた。

報告書は、日本政府が、その大規模な除染事業が望みどおりに進展する場合、20173月までにフクシマ施設周辺の多くの町村における避難命令を解除する意向であるのに合わせて発表された。

現状では、住宅地だけが短期間のうちに除染され、田園地帯の最悪の打撃を受けた区域は除外されており、これは国際原子力機関の勧告に沿ったものである。

だが、このような選別的な事業の結果、帰還した人びとは故郷のかなり狭い地域内に拘束されることになる一方、この事業戦略の結果、森林区域が放射能の集積地になり、雨が汚染物質を流出させるので、住宅地が再汚染されることになると、グリーンピースは警鐘を鳴らしている。

【参照記事】

2016315日火曜日



【クレジット】

Mail Online, “Japan prepares to release thousands of tonnes of water containing radioactive tritium from the beleaguered Fukushima plant amid fears for impact on Pacific Ocean,” by Rory Tingle, posted on April 12, 2016 at;


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